メールその7
\(☆^〇^☆)/ オバンデス
今週、ほとんど小説で申し訳ないのですが、
本日で終了ですので、お付き合いくだいさい。
メールその7
まあね、なんだろう。現実って厳しいんだね。初めて自分が生きているって実感したよ。医者がさ、暗い顔で言うのよ。なんか、ドラマとかでよく見るシーン。「久保さん、あなたは・・・」って。信じられる?おれ?なんでおれ?おれが何したの?なにか悪いことでもした?おれより悪いことしてるやつら、い~~~っぱいいるって。なんで、そいつらじゃなくて、おれなの?わかってるって。理由なんてないんだよね。神様がおれを呼んでるのね。どうしても、すぐに来て欲しいらしい。もう、時間がないんだって。
え?どういうことかわからない?わかるよねぇ?プールどころじゃないのよ。おれ、死ぬらしいわ。あと数ヶ月だって。どういうこと?なに、そのどこかで見たドラマのような展開?そんのあり?
でもね、これってドラマじゃないのね。現実なの。なんかね、もう電話とかにも出たくなくって、携帯の電源も切ったよ。無性に一人になりたかった。途方にくれたおれが、土曜日の約束なんてすっかり忘れてしまったころ、荒木さんからのメールが入ってたよ。
「約束すっぽかすなんて、久保さん最低です。そんな人だったんですね」
って、入ってたと思います?違うんですね、荒木さんは。
「久保さん、今日は何かあったんですか?待ち合わせ時間にまったく来なかったし、電話してもつながらなくて。とっても心配してます。よかったらメールください」
すごい人だね、荒木さん。ほんとにすごい人だよ。おれは自分のことで、いっぱいいっぱいなのに、いつも人のこと優先でものごと考えられるんだね。すごいよ。でもね、おれはだめなやつだよ。結局、返事書けなかった。だって、今、書いたら、おれに起こったこと全部書いちゃいそうだもん、そんで、なさけな~い自分をさらけだしちゃいそうだもん。無理ね。心の整理がついてない。てなことで、休みの2日はなにも手につかずに、家で何するでもなく、ぼーっとして過ごした。
医者が言うには、入院するかしないかは、おれの自由らしい。早い話、入院しようが、しなかろうが一緒ってことだよ。どっちにしろ、死ぬってこと。だったら、あなた自身が好きなほうを選んでくださいってことなんでしょう。迷ったけど、入院を選んだよ、おれ。荒木さんにメール出せなかったし、会わせる顔がないってね。逃げたんだよ、現実からも。
両親・家族にはもう話はいってるみたい。妙に優しくなったよ、みんな。入院っていったって、別に寝てなきゃ痛くてしかたないとか、苦しくてしょうがないってわけじゃないから、テレビ見て、ぶらっと散歩して、着の身着のままに過ごしたね。楽しいこと?ないでしょ~。
会社はね、退社ってことになったみたい。どうやら父親から話がいって、急な事情でってことで処理されたみたいだよ。特に連絡してくるような関係のやつもいなかったから、それですぐに片がついたみたい。ちょっと、荒木さんのことが気になったけど、特になにもなかったね。何を期待してんのか・・・。積極的にいかなかった、おれのせいだってね。
あと数ヶ月って、何ヶ月なんだろうね。1ヶ月?2ヶ月?3ヶ月?いや、3ヶ月だったら、3ヶ月ってそのまま言うよね?きっと、2ヶ月がいいとこなんだろうな。落ち着きすぎじゃないかって?落ち着いてなんてないよ。ほんとだったら、絶叫したいね「死にたくない!!!!」って。でもさ、叫ぶと生きられるの?命が延びるの?なんにも変わらないよね。おれは、おれらしく死ぬのがいいんじゃね?
こうしてみるとさ、おれの人生って、いい人生だったのかな?どうなんだろ?仕事始めてからは楽しかったかな。なんだかんだいって、おれだっていろいろ悩んで仕事してたよ。そんなとき、荒木さんからのメール見て、元気もらって、んで、荒木さんが元気ないときには精一杯励ましたね。言葉はうまくなかったかもしれないけど、おれなりに精一杯ね。話したのより、メールの方が多かったかもしれないな~。でもさ、文字として残る言葉って、いつまでも心の中に残るでしょ?心に響くというか。ちょっと昔の歌に、「言葉は心をこえない とても伝えたがるけど 心に勝てない」なんて歌詞があったけど、やっぱり言葉がなくちゃ伝わらないでしょ。心には勝てなくても、言葉は嬉しい気持ちを表現するのにも、伝えるのにも大切だね。たくさんの言葉でおれは元気づけられたな~。最後の荒木さんのメールに返信してないな・・・。でも、いまさらだよな・・・。
荒木さんかぁ。楽しかったな~。なんで、あんなに話せたんだろう。不思議だね。ああ、そうか、おれ。彼女のことが好きだったんだね。「like」じゃなくて「love」。だから話すの楽しかったし、もっと話したいって思ったんだろうね。メールも、毎日続いたんだろうね。彼女はどうだったのかな。おれのこと、どう思ってたんだろう?まあ、でも、もうすぐ、お呼ばれされるおれには、どうでもいいことか。まあ、彼女がいままでどおり、笑って、楽しく生きていてくれれば、それでいいかな。おれは、それを天国で見守って、って新手のストーかーだね。ああ、その前に天国いけね~か。地獄じゃ見守れないね。え?死ぬの恐くないのかって?恐いよ!恐い!!恐いから、こうやって気分紛らわしてんでしょ?
あ~、会いたいね、話したいね。もう一度でいいから、あの声を聞きたいよ。あの笑顔に会いたいよ。メール・・・打ってみようかな。なんだろう?何を書けばいいんだろう?死ぬ間際まで、おれは言葉が出ないのか?なさけね~な~。もう、最後なんだぜ。お前の思ってること全部書けばいいじゃね~の。死んだ後、彼女がどう思おうが、おれにはわからないんだぜ?メールに返信できなかったのは、こういうわけで、もうすぐ死ぬって書いたら、もしかしたら彼女、会いにきてくれるかもしれないぜ。告白すりゃいいじゃん。好きだって。意味がない?自己満足?
だよね、今、おれが言っても、彼女が困るだけだね。でもさ、わかってても伝えたいことってあるよね?だめだってわかってても、伝えておきたいことって。言ってもいいのかな?おれを彼女の中で、この先も生き続けさせるには、告白して、印象残しとかなきゃじゃね~の?そうだな、全部書けばいいんだな。おれが荒木さんのこと、どんだけ想ってたか、そんで、荒木さんがどう想ってたか、聞けばいいんだよ。最後だしね。できるだろ?おれ・・・
「ありがとう・・・」end
おれって・・・結局、なにも変われなかったのかな・・・
おわり
小説第3弾にお付き合いいただき、ありがとうございました <(_ _)>
今回の作品どうだったでしょうか?
久保くんは、最後、荒木さんへの想いを、意図的に「伝えなかった」のか?
伝えたかったが、ただ単に、「伝えられなかった」のか?
それは、あなた次第です。
ただ、「ありがとう」は久保くんの心の底から出た、
もっとも、言いたかった一言だったのでしょう。
彼は不器用で、自分をうまく表現できなかった。
そんな時に、少しでも自分らしさを出せる存在に出会えた。
きっと、久保くんはそれがうれしかったのでしょう。
そんな彼女への、心からの「ありがとう」だった・・・
と、作者は考えますwって、みなさんが、違う風にとるなら、
それも、久保くんの本当の姿だと思います。
あなたにとっての久保くんが、あなたの中で作られていたら、
私は、それで満足ですw
ふと、これを荒木さんの視点でみてみるのも面白いかな?
って思いました。ただ、男性の私に、女性の心を表現できるか?
もし、気が向いて、書いてみたくなったら書いてみるかもです。
でも、自分でおもしろくないって思って、ブログには載せないかもですけどね^^;
とにかく、ほんとに、お付き合いありがとうございました!!
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