小説その10
( ^∇^ )ノ” コンチワー
・・・もう競馬の回顧する気力もありません><
ハートオブクイーンの馬連で流しときゃよかった;;
とにもかくにも、小説です。
今日は長いですので、読まれる方は気合を入れて!!
一応最終回です^^;
「雨の季節」その10
結局、私は海に行く準備をして京子が迎えにくるのを待っていた。約束の時間、京子から電話がきた。「家の前に着いたよ。」「ああ、わかった。今行く。」家を出た私に、京子が声をかける。「おはよう。」京子の笑顔に、私も笑顔で「おはよう。」と返した。しかし、京子はちょっと違和感を覚えたのか、「ん?なんか元気ない?」と聞き返されてしまった。「えっ?そんなことないって、朝だからちょっと眠かったんだって。」「ふ~ん、そうなんだ。」京子はちょっと腑に落ちない感じだったが、海へと車を走らせた。「ねえねえ、加藤くんはさあ・・・」車の中で京子といろいろ話をしたのだが、まったく上の空だった私には、なにを話したのかの記憶が無い。頭の中は、昨日の遠藤さんと女将さんの言葉でいっぱいだった。1時間ほど車を走らせて、ようやく海に着いた。京子はさっそく水着に着替えをすませて、準備万端といった感じだった。私も、とりあえず水着に着替え、パラソルなんか立てて、海水浴気分を醸し出した。
「ねえ、泳がないの?」「う~ん、ちょっと・・・。」「え~なんで?せっかく海に来たのに。」「うん・・・。」「・・・やっぱり、あたしとじゃつまらない?」と京子がうつむいた。「いや、そんなことないよ。楽しいよ。」「うそ・・・。」京子は、そう言うと黙って私の隣に座った。「加藤くんさあ、無理してるでしょ?わかっちゃうんだな~。加藤くん、人がいいから。最初からわかってたんだよ、加藤くんが恵美のこと好きだって。恵美も加藤くんが好きなんだなって、なんとなくわかってたの。でもね、あたしも加藤くんが好きになっちゃったから。恵美には悪いと思ったけど、加藤くんがふりむいてくれるならって思って・・・。でも、だめみたいね。加藤くんはやっぱり恵美のことが好きだよ。」「京子・・・。」京子は日差しの照りつける夏の空を見上げていた。しばらく、二人の間だけ静寂に包まれた。京子になにか言わなきゃいけない。なにか気の利くことでも言ってあげたいと思ったが、なんお言葉も思い浮かばなかった。京子を慰める言葉が、全て嘘になると気づいていた。そして、もうそんなことを言えないくらいに、私の頭の中をまわっていたことが、やっとひとつのところに落ち着いているのを感じていた。
「さっさと行けば?あたしなんかに付き合ってる場合じゃないんじゃない?悪いけど、車で送ってあげるほど、あたし、人はよくないからね。」京子の強がりにも似た言葉が私に投げかけられた。京子への申し訳ない気持ちも、たったひとつの言葉でしか表現できなかった。「ごめん・・・。」その一言を残して、私は恵美のもとへと向かった。
今さらかも知れないけど、もう遅いかもしれないけれど、たったひとこと伝えたかった。すぐに行かなきゃ恵美に会えなくなるわけじゃないことはわかっていた。でも、一秒でも早く会いたかった。顔を見たかった。声を聞きたかった。とにかく、タクシーを探して走った。汗まみれになりながら、ようやくタクシーをつかまえた。タクシーの中でも、恵美のことしか頭になかった。こんなに時間が進むのが遅いと感じたことはなかった。とにかく早く会いたかった。
タクシーを降りたのは恵美の家の近くの公園だった。恵美が家にいるかなんてわからなかったけど、とにかくそこに行くことしか考えてなかった。携帯で恵美に電話する。『たのむ、出てくれ。』「もしもし。」恵美の声がした。「恵美・・・。」「どうしたの、加藤くん?京子と海に行ったんじゃ・・・。」「恵美、会いたいんだ、今すぐに。」「どうしたのよ?急に。海は?」「今、お前の家の近くの公園にいるんだ。会えないか?」「えっ?うそ?なんで?」「おまえに会いに来たんだ。」「ちょっと待って、すぐに行くから。」そういうと恵美は電話を切った。
5分くらい経っただろうか、恵美が走ってやってきた。「どうしたのよ。」「恵美、ごめん。おれ、恵美にひどいことばかりして、恵美を傷つけて・・・。」「・・・。」恵美は黙って、私の話を聞いていた。「おれ、遅いかもしれないけど、やっと気づいたんだ。恵美がおれにとって特別な存在だって。一番大切な人だって。おれ、恵美のことが好きだ。おまえと話ができないのが苦しかった。でも、苦しいって認めたくなくて、それを隠してた。やっと素直になれたんだ。恵美の笑顔が、恵美の声が、恵美の存在が、おれにとっては一番大切なんだって。恵美大好きなんだ。」「加藤くん・・・。」恵美の目からは涙がこぼれていた。「遅くなんてないよ。加藤くんに、そう思ってもらえるなんて、とってもうれしいよ。私ね、ずっと加藤くんのこと見てたんだよ。でも、加藤くん、気づいていなかったよね。私も気づかれないようにしていたんだけど・・・。加藤くん、普段は冷めた感じでいるけど、すごく優しくて、人のためにいろいろしてあげられる人だってわかってた。一緒に仕事できて、一緒に話せて、一緒に笑えた、それだけでうれしかったのに・・・。いつのまにか、加藤くんに、こっちを見ていてほしいって思っちゃったの。だから、この前、京子と話しているのが気になって・・・。私のこと見て欲しかったの。だから、素直になれなくて、加藤くんをせめて、傷つけて。ごめんね。私、素直じゃなかった。」恵美は、下を向きながら、右手で涙を拭っていた。「恵美・・・。違うよ、あれは、おれが悪かったんだ。恵美が他の男と話しているのが気に入らなくて。おれが謝らなきゃいけなかったのに。ごめんな・・・。素直になれなかったのは、おれも一緒だよ。」恵美はそっと顔を上げた。その瞳からはまだ涙が流れていたが、私にやさしい視線を投げかけていた。今まで言えなかったことを、お互いに声に出して伝えることが出来た。その安堵感からか、私のほほにも涙が伝っていた。そして、「恵美・・・。おれと付き合ってくれ。」「・・・うん。」恵美のうれしそうな顔が、私の心にそっとしみこんでいった。
お互いに、見つめ合う私たちの目からは、涙がこぼれていた。ちょうど雨が降り出していた。夏の季節の夕立だったが、私たちは涙も雨も拭こうともせず、立ち尽くしていた。私は恵美を抱き寄せて、そっとキスをした。二人に笑顔があふれて、そして、もう一度キスをした。
いつもの日常にも、いろんなことが隠れている。私が何気なくすごしていた日々には、恵美がいて、私は知らないうちに、その存在に助けられていた。退屈だと感じる日々にも、様々な出来事が潜んでいて、私たちはそれに目を向けられないだけなんだと思った。恵美の存在を、私は日常の一部のようにあたり前に感じてしまっていた。でも、その存在を再認識したとき、私は恵美がかけがえのない存在だとわかった。私は笑みのことをこれからも愛していくだろう。私の一番大切な人だから。
「加藤くん!」恵美の声をいつまでも、誰よりも近くで聞いていられるように。
終わり
長い間、お付き合いしていただきまして、ありがとうございました。クライマックスに、うまく盛り上げることができたでしょうか?正直、自信はありませんが、書いていて楽しかったです。小説として成り立っていない部分、自分自身の力量不足で、表現しきれなかった部分等たくさんありました。でもでも、みなさんに少しでも楽しんでいただけたのなら本望です。
拙い小説にお付き合いくださったみなさまに感謝して、小説企画の終了です。きっと、しばらくしてから読み直すと、恥ずかしい気持ちでいっぱいになるんだろ~な~(;^。^A アセアセ
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